【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

パパはどうしても、私が怪我をしたことが許せないみたい。


そんなの私に取っては大したことじゃないのに。


どうしてわかってくれないんだろう。



「ボディガードとしてついていながら、梨々香に跡が残るような傷を負わせたんだ！

もう神楽に梨々香の面倒を見る資格はない！」



「そんなっ！パパっ！！」



「異論はないよな？神楽」



パパが冷たい目でかーくんを見つめる。


すると、かーくんは下を向いたまま、静かに頷いた。



「……っ、ありま…せん…」



「いやぁ〜っ！パパのバカッ！鬼っ！

大嫌いっ！！」



私は思わず立ち上がって、泣きながらパパをビシバシ叩く。


だけど、パパは表情を変えない。



「梨々香、落ち着いて！ケガしてるのよ」



ママが私をなだめるように取り押さえる。


そこに、パパはさらに冷たく言い放った。



「事実は事実だ」