【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
その日の夜、パパの書斎に私とかーくん、そして紫苑の三人が呼ばれた。
何か重大な報告があるとのことで。
私は嫌な予感がしていたけれど、なぜそこに紫苑まで呼ばれたのかまでは、よくわからなかった。
かーくんは帰ってからもずっとうつむいたままで、元気が無くて、今回のことでかなり責任を感じているみたいだった。
包帯を巻いた私の腕を見て、「ケガさせてごめんな」と謝ってきた時のかーくんは、目に涙を浮かべていた。
その表情は悲しそうというよりも、悔しそうだった。
きっと私を守れなかったのが、すごく悔しかったんだ。
だから私は、「謝らないで」って怒った。
だって、かーくんのせいじゃないから。私がいけないんだから。
謝らなくちゃいけないのは私のほうだ。
私のせいで、かーくんはパパにめちゃくちゃ怒られて、パパの信用を失ってしまった。
私があの時余計なことをしなければ…
いや、あの時かーくんから離れなければ…
こんなことにはならなかったのに。
すべては私の警戒心が足りなかったのが悪いんだ。
それなのに、かーくんばかりが責められるなんて、あんまりだよ…。