【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そう言い放ったパパの表情はやっぱりとても冷たくて、情けも何もないように見える。
まさか、ここまで容赦ないなんて。
初めて本気でパパを嫌いになりそうだった。
いくら私が大事だからって、娘が危ない目にあったからって、子供の頃からずっと息子のように可愛がってきたはずのかーくんのことを、こんなふうに扱うなんて…。
あんまりだ。
思わず拳をぎゅっと握りしめる。
「…わかってない」
そして、パパの目をまっすぐ見据えた。
「パパはなんにもわかってない!!
私が今までどれだけ神楽に助けられてきたか!神楽が私のために、今までどれだけ体を張ってくれたか!
あの火事のことだって覚えてるでしょ!?神楽がいなかったら私、今ごろ死んでたかもしれないんだよっ!」
そうだよ。かーくんは私の命の恩人なんだよ。
「それ以外でも、いつも私がピンチの時は必ず飛んできて、守ってくれてたんだから!
神楽がいたから私は今までやってこれたのっ!」