【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
◆もう俺に構うな。【side神楽】
【side 神楽】
ーーいやだよ。私、かーくんじゃなきゃ嫌だ。
ーー私のこと、おばあちゃんになっても面倒みるって約束したじゃん!
ーー私だって、離れたくないよ……。
りぃの言葉が何度も頭の中で再生される。
抱きしめた細い腕の感触が、今でも残ってる。
だけど、それと同じくらい、あの出来事も鮮明に覚えている。
俺のせいで、りぃは怪我をした。
腕には傷が残った。
俺は、彼女を守ることができなかった。
兼仁おじさんの言うとおり、俺は執事としても、ボディガードとしても失格だ。
責められても文句は言えない。
すべては俺の責任だ。
俺にはもう、りぃのそばにいる資格はない。