【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
どうやら俺のことを心配してくれてるらしい。
でも、こいつに話すようなことでもない。
カイにだってまだ、何も話してない。
情けなくて、自分からはとても言えなかった。
りぃの執事をクビになっただなんて…。
「大丈夫だよべつに」
「カイも心配してたよ?なんか今日顔が死んでるって。
悩んでることあったら話してね。たまには誰かを頼ったほうがいいよ」
「……そうだな」
カイは俺に気を使ってるのか、俺の顔を見て何かを察したのか、あえて何かを聞いてくることはしない。
俺はあまり自分のことを話すほうじゃないから、カイのそういうところにはいつも救われてる。
こうやって心配してくれる奴らがいるだけまだ、俺は幸せなんだろうなと思う。
それでも、この喪失感からはなかなか抜け出せなかった。