【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

当たり前が当たり前じゃなくなって、気づく。


当たり前のように思えていたそれが、いかに幸せだったのかということに。



放課後、カイとともに下駄箱で靴を履き替えると、カイはいつものようにレミお嬢様を迎えに特別科の棟に向かって歩いていく。


俺はそのまま一人で帰るつもりだったけれど、途中までなんとなくついて来てしまった。



カイに変に思われるからとか、そういうんじゃない。


りぃがどうしてるのか、それがやっぱり気になって。



俺がいなくてもちゃんとやってるんだろうか…なんて、バカみてぇに心配してる自分がいる。


紫苑は優秀な奴だし、何も問題はないとわかってるのに。


りぃ離れできていない自分に呆れてしまう。


だけどその時…、



「あれっ?梨々香お嬢様じゃん」


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