【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
カイのリアクションが案の定デカすぎて、思わず笑いそうになる。
おかげで少しだけ、元気が出た気がした。
「仕方ねぇよ。俺は優秀でもなんでもねーんだよ。
まぁ、話はまた今度な。レミお嬢様待ってんぞ。
それじゃ俺、帰るから」
「…っ、いやおい、待てよ!」
「ちょっとカイー!なにやってんの!?遅いから!!」
するとその時むこうからレミお嬢様の声がして。
カイは振り返ると、慌てて下駄箱へと走って行った。
相変わらずいつも怒られてる。どうしようもねぇ奴…。
でもそんなこと言ったら俺はもっと、どうしようもない奴だ。
カバンを片手で背負うように持ちながら一人、校門に向かって歩いていく。
自分のカバンだけだとやけに軽くて、変な感じがした。
いつもならりぃの分も持たされてたからな。
そんなことですら、懐かしく思える。
そして虚しさや、寂しさがまた募っていく。