【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
世話をすると一言で言っても、なんでもやってあげればいいってわけではない。
りぃの性格やパターンは、俺はもうだいぶ把握してるつもりだけど、紫苑はまだこれから知ることだってたくさんあるんだろう。
それにしても、こうしていちいち気になって、りぃのことを心配してしまう自分もバカだよな。
りぃはこれからきっと、俺がいなくても大丈夫になっていくんだろう。
紫苑と一緒にいるのに慣れて、むしろそっちの方が心地よくなっていくのかもしれない。
そうなったら寂しいと思うし、悔しいとも思う。
本心では、なってほしいなんて思わない。
だけど、そうなっていかないとりぃが困るよな。
りぃは俺から離れて、俺なしでやっていけるようにならないといけない。
りぃの幸せを願うなら、本当はそうなんだ。
そのためにはまず、俺がりぃ離れしねぇと…。
いつまでもりぃに執着してたらいけない。
頭では分かっていても結局、りぃのことばかり考えている自分がいる。
だけど、ふと思った。
俺にできることはもしかしたら、彼女から距離を置くことなのかもしれないって。
・
*
・