【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
――バチン。
園芸用のハサミを持って、枝を切る。
暑いし、なによりめんどくせぇ。
雑用をするようになって何日たっても、いまだに庭の手入れだけは慣れない。
額に滲む汗をぬぐって、思わずため息をついた。
紫苑はよくこんなこと、楽しんでやってられるよな。
今日は日曜日で学校が休みだ。
俺は朝から庭仕事をさせられている。
りぃはこれから奥様と買い物に出かけるらしく、今日は気に入ってるピンクの花柄のワンピースを着ていた。
二の腕に巻いた包帯が痛々しくて、見るたびに胸が痛む。
さっさと終わらせようと思い、チョキチョキと枝を切り落としていたら、だんだんと手が疲れてきた。
マメできそうだな、これ。
「…かーくん、なにしてるの?」