【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
するとそこにうしろから誰か現れて、俺は思わず心臓が飛び跳ねた。
…りぃだ。
「あぁ、これな。枝切ってんだよ」
りぃとは今でも話さないわけじゃない。
兼仁おじさんのいる前では話しづらいけれど、会えば向こうから話しかけてくる。
たぶんりぃは、俺と今まで通り接しようと思ってるんだろう。
なんとなく気を使ってるような空気はもちろんあるけれど。
「へ~っ、大変だねぇ。
今日暑いしね。日焼けしちゃうよね。
かーくんすっごい汗かいてるじゃん」
「そりゃ、見てのとおり暑いんだよ」
「あははっ、だよね。
拭いてあげよっか?」
りぃはそう言うと、ポケットからレースのハンカチを取り出す。
そして、俺の首すじに当てると、流れている汗を拭きとってくれた。
りぃの手が触れて、なんとも言えないむず痒い気持ちになる。
「…バカ。汚ねぇぞ」