【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
しかも何を言うかと思えば、今さら俺に勉強教えてくれとか。
「いや、紫苑に聞けよ…」
「それが、紫苑ったら英語苦手なんだって。
マチコ先生は今日休みだしさぁ。
そしたら、かーくんしかいないかなって」
「……」
「紫苑も優しくて気がきくけど、やっぱりこういう時、かーくんは頼りになるからさ。
勉強くらい、教わってもいいでしょ…?」
りぃは上目遣いでたずねる。
だけど俺は、すんなり「いいよ」と答えることができなかった。
頼られるのは、もちろん嬉しい。
英語だって紫苑よりは分かる自信がある。
でも、このままでいいんだろうかって。
このままりぃが、今までどおり俺を頼り続けていたら、何も変わらない気がする。
俺たちはもう、今までみたいにはいられない。
いてはいけない。
りぃは俺がいなくても、やっていけるようにならなきゃいけないんだ。