【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

しかも何を言うかと思えば、今さら俺に勉強教えてくれとか。



「いや、紫苑に聞けよ…」



「それが、紫苑ったら英語苦手なんだって。

マチコ先生は今日休みだしさぁ。

そしたら、かーくんしかいないかなって」



「……」



「紫苑も優しくて気がきくけど、やっぱりこういう時、かーくんは頼りになるからさ。

勉強くらい、教わってもいいでしょ…?」



りぃは上目遣いでたずねる。


だけど俺は、すんなり「いいよ」と答えることができなかった。



頼られるのは、もちろん嬉しい。


英語だって紫苑よりは分かる自信がある。


でも、このままでいいんだろうかって。



このままりぃが、今までどおり俺を頼り続けていたら、何も変わらない気がする。



俺たちはもう、今までみたいにはいられない。

いてはいけない。


りぃは俺がいなくても、やっていけるようにならなきゃいけないんだ。


< 243 / 336 >

この作品をシェア

pagetop