【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
休みの日でも毎日スーツの親父は、いつ見てもビシッと決まっている。
今日も兼人おじさんの用事に付き合っていたのか、今帰ってきたみたいだ。
「あー、おかえり」
「ただいま」
「今日も仕事?」
「あぁ、ちょっと会食があったもんでな」
カバンをソファーの横に置くと、キッチンに向かう親父。
そして、テキパキと何かを用意し始めた。
バリスタマシーンの音が響いで、コーヒーのいい匂いが漂ってくる。
そして、マグカップを二つ持ってこちらへ現れた。
「お前もコーヒー飲むか」
この暑いのにホットコーヒーとか、親父らしい。
「うん。飲む」
それだけ言ってマグカップに口をつけたら、猫舌な俺はさっそく舌を火傷した。
「…あちっ」
そんな俺を見て、親父が笑う。
「はは、何やってんだ。熱いぞ、まだ」