【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
親父の大きな手の平が、そっと俺の頭に乗る。
その言葉に思わず、少しだけ目が潤んでしまった。
親父はちゃんと俺を見てくれていた。
俺を認めてくれていた。
それは、兼仁おじさんだって同じだったと、できることなら思いたい。
「親父…」
「大丈夫。信用を取り戻す方法はいくらでもあるさ」
「えっ…?」
「もちろん、時間はかかるかもしれないけどな。
とにかく今は、今できることを精一杯やるんだ」
「今、できること…?」
親父は静かに微笑む。
「そうだ。そしたらいつかきっと、わかってもらえる日がくる」
わかってもらえる……そうなのか?
俺はもう完全に信用を失ったのに。
再び認めてもらえることなんて、あるんだろうか…。
「過ぎたことは変えられない。でも、未来はいくらでも変えられる。
俺はそう思ってる」