【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
◇失って気づいた気持ち
【side梨々香】
…夢を見た。
見覚えのある場所。
いつだったか、ママに連れて行ってもらった、隣町の大きな公園。
私はまだ5歳くらいで、かーくんも一緒だった。
広い敷地の真ん中の広場には、噴水があった。
私はその中に小石を投げ入れて遊んでて。
ママに危ないからやめなさいって怒られた。
だから途中から石集めをして遊ぶことにした。
白くて綺麗な石は、宝石ってことにして。
なるべく角のない綺麗な石を帽子の中に入れて集めた。
その中でも一番お気に入りだった、大きな白い石。
私はそれをかーくんに見せびらかして、「いいな」って言われたから、「少しだけ貸してあげる」って言った。
そしたらかーくんはそれを嬉しそうに受け取ると、ズボンのポケットに入れた。
だけど、そのまま遊んでたら、ポケットから落としたらしく、石は無くなってた。