【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
紫苑は私が部屋着に着替えて布団に入ったのを確認すると、「ごゆっくり」と言って部屋を出ていく。
ガチャンとドアが閉まって、それから10秒ほどたって、戻ってこないのを確認したら、私はむくっとその場に起き上がった。
そして、部屋の鍵をかけた後、クローゼットからピンクのリュックを取り出す。
この中に二晩くらい泊まれる用の着替えや荷物を最低限用意すればいいか。
半袖の季節だし、そんなにかさばらないし。
あとはお金さえ持ってれば何とかなるかな。
なんて、まるで計画性がないけれど…。
今まであまり一人でどこかへ出かけるというのをやったことがないので、こういう時にちょっと悩んでしまう。
だけど、一人で自由に行動出来るんだと思ったら、ちょっとだけワクワクした。
もう誰の言うことも聞かない。
好きなようにやるの。
迷いなんてどこにもない。