【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
――それから一時間後。
「なぜだ!なぜ見つからないんだ!!」
兼仁おじさんの大声がリビング中に響き渡る。
時刻は午後七時を過ぎて、外もだいぶ暗くなってきたというのに、どこを探してもりぃの姿は見つからない。
俺も含め、家中のみんなが焦っていた。
これでも近場は全部探したつもりだし、聞き込みもした。
レミお嬢様はもちろん、りぃと親しい友達にはぜんぶ聞いてみたけれど、誰もわからないという。
りぃのスマホの電源は切れていて、電話はつながらないし、メールも何も返ってこない。
ただ不安だけがどんどん膨らんでいく。
正直俺もここまで何も手がかりがないとは思わなかった。
りぃの行きそうなところはだいたい把握しているつもりだったし、自分なら見つけられるって、根拠のない自信があった。
でも、りぃはどこにもいない。