【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
当時はもうひらがなが読めてたから、ホームの看板に『みずなし』って書いてあって、ママが『水が無いって書いて、水無駅なのよ』って。
だけど、この水無公園には大きな噴水があって。
子供ながらに不思議に思った。
なんで水があるのに水無なんだろうって。
その記憶があったから、無意識にその駅で降りてしまった。
降りたら久しぶりにこの公園があって、なんだか感激して。
子供のころの自分とかーくんの姿を思い出したりしてた。
あの頃は、毎日のように一緒に遊んでたなぁ。
泥だらけになって、いつも私は木登りをしてて。
懐かしいなぁ……。
思わずちょっとだけ泣きそうになる。
あの頃はよかったなぁ…なんて。
私のそばにはいつもかーくんがいて、それが当たり前だった。
でも今は、そうじゃない。
それどころかもう、誰もいない。
一人ぼっち…。