【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
私ったら何を期待してるんだろ。
誰も来るわけがないのに。
一瞬かーくんかも…なんて思ってしまった。
バカだなぁ。
見つからないようにわざとわかりにくい場所まで逃げてきたんでしょ。
変なの。今さら寂しくなるなんて…。
ジョギングのおじさんが通り過ぎるとまた、誰もいなくなって、静かになる。
これからどうしよう。
考えれば考えるほど、不安になった。
とりあえず、どこかに泊まる?
お金ならちゃんとあるし、一泊ぐらいなんとかなるはず。
だけど、一人でホテルに泊まったことなんてないし、いまいち手筈が分からない。
家を出てみて、初めて気が付いた。
自由って快適だと思ってたけど、案外孤独なんだって。
いかに今まで自分がいろんな人に支えられてきたかを実感する。