【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

だけど今さら、引き返すことなんてできない。



このまま私、どうなるんだろう。


もうわからないよ。



今はただ、かーくんに会いたい。


会いたいよ。


私のこと見つけに来てよ。


お願い……。



ベンチに膝をたててうずくまる。



たぶん、10分以上そうしていたと思う。



半袖のままでいたら、だんだんと肌寒くなってきて。


でもどうしてか、動けなかった。



わけもなく涙が出てきそうになる。


心細くて、怖くて、不安で。



家には絶対に帰りたくなかったけれど、かーくんにすごく会いたくなった。



やっぱり私、かーくんがいないとダメだ。


ダメなんだよ……。



だけどその時、



「…りぃ!」


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