【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
突然どこからか、聞き覚えのある声がして。
私は思わず耳を疑った。
……えっ?あれ?
今の、空耳かな?
確かに今、聞こえたような気がしたんだ。
かーくんの声が…。
「りぃっ!!」
だけどそれは、空耳でも夢でもなくて。
すぐそばで聞こえたその声に、顔を上げた途端、私の視界に飛び込んできたのは……
「かー…くん」
大好きな彼の姿だった。
心臓がドクンと大きく音をたてる。
信じられない。どうして……。
かーくんは私と目を合わせると、息を切らしながらもホッとしたように微笑んで。
「…やっと見つけた」
そう呟いた。
その言葉に、嬉しさのあまり涙があふれてくる。
「う……ウソっ」