【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

夢みたい。


まさか本当にかーくんが探しに来てくれるなんて思ってもみなかった。



「ど、どうして…ここが分かったの…?」



震える声で尋ねる。



すると、彼は執事服のズボンのポケットから何かを取り出して。



「ほら、これ…見つけたんだよ。

どこ探してもいねぇから、もしかしたらって」



それはなんと、あの時の白い石だった。



私が手紙の上に置いた石。


かーくんとの思い出の石。



見た瞬間感激して、胸がいっぱいになる。



この石で、私がこの場所にいるって気が付いてくれたなんて…。



「こんな昔のもの…覚えてたの?」



私がそう言うと、かーくんは当たり前だろといった顔で答える。



「忘れるわけねぇだろ。

すっげぇ必死で探したやつだぞ」


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