【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そう言われて、彼もまたあの日のことをちゃんと覚えていてくれたんだって、私だけじゃなかったんだって、嬉しくなった。
思わず笑みがこぼれる。
「……すごい。
まさか、ほんとに来てくれるとは思わなかった」
やっぱり、かーくんはすごいや。
「この石だってそう…。
絶対に見つけてくれるもんね」
どこにいても、私のことを見つけてくれる。
どんなピンチだって、必ず気付いて助けに来てくれるの。
「かーくんはやっぱり、私のヒーローだよ…っ」
そう口にしたら、ぽろぽろと涙がこぼれてきた。
ベンチから立ち上がって、向かい合ったらもう、止まらなくて。
「…ふっ、そりゃ来るに決まってんだろ。
ったく、心配ばっかかけやがって」
そう言って、私の涙をそっと指で拭ってくれるかーくん。
やっぱり優しい彼のことが、心から大好きだって思った。