【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
午後八時を過ぎると、あたりはもう真っ暗だった。
かーくんと二人手を繋ぎながらベンチに座る。
だけど私はもうそれだけで幸せで、他のことはどうでもよくて。
先のことなんて今は考えたくなかった。
かーくんがそばにいてくれる、もうそれだけでいい。
だけど、かーくんはふと腕時計に目をやると、
「…暗いな。もう八時過ぎたか」
なんて、私よりも時間を気にしているみたいだった。
まぁたしかに、このままずっとここに居るわけにもいかないし、どうするか考えなくちゃいけないよね。
「ほんとだね。これからどうしよっか?
とりあえず、今日はどっか泊まる?」
私がのん気にそう尋ねると、かーくんは急にギョッとした顔をする。
「はっ?泊まるって、どこに?」
「えっ、ホテルとか…」
「…ぶっ!」