【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

なぜか吹き出すかーくん。



「ホテルって…お前、それはまずいだろ」



「…なんで?

あ、大丈夫!お金ならちゃんと持ってきたよ!」



「いや、そういう問題じゃねぇよ」



「じゃあ、どういう問題?」



「……っ」



何を思ったのか、言葉に詰まるかーくん。



だけど、そのまま数秒考え込んだかと思うと、急に私の手をぎゅっと強く握って、ベンチから立ち上がった。



「とりあえず、いったん帰るぞ」



「えぇっ!?」



その言葉に驚愕する。



どうして…?


このまま家に帰ったって、パパがますます怒るだけなのに。



「なんでっ!嫌だよ!帰らないよ!」



正直まだパパには会いたくない。


せっかくかーくんと気持ちを確かめ合えたっていうのに、またパパに引き裂かれるなんて嫌だよ。


< 307 / 336 >

この作品をシェア

pagetop