【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
なぜか吹き出すかーくん。
「ホテルって…お前、それはまずいだろ」
「…なんで?
あ、大丈夫!お金ならちゃんと持ってきたよ!」
「いや、そういう問題じゃねぇよ」
「じゃあ、どういう問題?」
「……っ」
何を思ったのか、言葉に詰まるかーくん。
だけど、そのまま数秒考え込んだかと思うと、急に私の手をぎゅっと強く握って、ベンチから立ち上がった。
「とりあえず、いったん帰るぞ」
「えぇっ!?」
その言葉に驚愕する。
どうして…?
このまま家に帰ったって、パパがますます怒るだけなのに。
「なんでっ!嫌だよ!帰らないよ!」
正直まだパパには会いたくない。
せっかくかーくんと気持ちを確かめ合えたっていうのに、またパパに引き裂かれるなんて嫌だよ。