【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
だけど、かーくんは嫌がる私に真面目な顔で、
「ダメだろ。帰らねぇと兼仁おじさんが心配する」
正直ここで今さらパパの名前が出てくるとは思わなかった。
「なっ、なんでパパ!?
パパなんていいのよ!心配させとけば!」
「よくねぇよ」
えっ……。
「なんでっ…。かーくんも、一緒に逃げてくれるんじゃないの?」
このまま私たち、また引き離されてもいいの?
私が問いかけると、かーくんは首を横に振る。
そして、ハッキリとこう言い切った。
「俺はもう逃げない」
……ドキッ。
「約束したんだ。兼仁おじさんに。
お前を必ず見つけ出すって」
「えっ……」
「ちゃんと話そう。分かってもらえるまで」