【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そう話すかーくんの表情は妙に落ち着いている。
「このまま逃げたらもっとよくねぇだろ」
「……っ」
確かに、言っていることはもっともだと思った。
だけど……
「でもっ…分かってもらえるかな?
無理だよ。パパは絶対…」
あのパパが私たちの関係を許してくれるなんてとても思えない。
かーくんだってそうでしょ?
「たしかに、そうかもしんねぇけど…。
でも俺は、あきらめたくない。
何年かかってでも、認めてもらえるよう頑張るから」
「かーくん…っ」
「お前のそばにいるためなら、なんだってする」
そう口にしたかーくんの瞳には、強い意志が宿っているように見えて。
そんな彼を見たら、私もやっぱりあきらめたくないって思った。
そうだよね。逃げちゃダメだよね…。