【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

「お前…なんでここが?」



かーくんが紫苑に尋ねると、紫苑は持っていたタブレット端末の画面をこちらに見せて。



「神楽のスマホのGPSを追ってここまで来ました」



「えっ」



…そっか。かーくんのスマホで位置が分かったんだ。



すると、その後ろからすごい勢いで、



「梨々香~っ!!」



パパが涙を流しながら抱きついてきた。



「無事でよかった!

あぁ、よかった…っ」



「パパ…」



そんなふうに泣かれたら、自分までちょっと泣きそうになってしまう。



やだ私、パパにずっと怒ってたはずなのに…。



「みんなで必死で探したのよ。

外は真っ暗だし、心配したわ」



そう口にするママの目も少し赤い。


泣いたのかな。



それを見たらなんだか急に申し訳ない気持ちになって、何も言えなくなってしまった。



自分で思っていた以上にみんな、私のことを心配してくれてたんだって。


今さらながらちょっと反省する。


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