【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
意外な彼の発言に、私はもちろん、かーくんもすごく驚いた顔をしていた。
「紫苑…」
あの紫苑がまさか、そんなことを言ってくれるなんて。
「だから、彼を戻してやってくれませんか?」
「……なっ」
「お嬢様の専属執事をまた、神楽にやらせてやってください」
紫苑はそう言ってパパに向かって深々と頭を下げる。
その姿には思わず私も、胸の奥がジーンとしてしまった。
紫苑……。
正直、紫苑とかーくんって、今まで仲がいいのか悪いのかよくわからないなんて思ってたけど…本当はこんなにもかーくんのことを思ってくれていたんだ。
そして、パパの前にもかかわらず、私に味方してくれて。
どうしよう。なんか、感激しちゃうよ…。