【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
大きな声でそう口にした瞬間、パパは今まで見たことがないくらいにひどく驚いた顔をした。
「な、なんだってっ!?」
空いた口がふさがらないとでも言った様子で。
だけどすぐに、横にいたかーくんの胸ぐらをバッと掴むと、
「おい神楽っ、まさかお前、梨々香をたぶらかしておったのか!?」
「…っ、いえ、ご主人様、僕は…」
「あなた、落ち着いてっ!」
するとそこに、すかさずママが止めに入って。
「神楽がそんなことするわけないでしょう。
彼は執事として立派に仕事をしてくれていましたよ」
「…っ、だがな」
「それに、知ってます?
彼は執事科でも毎回トップの成績をおさめているし、最近は真剣に経営学まで勉強していたのよ」
「えっ?」