【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
それを聞いてパパはさらに驚いた顔をする。
「お、奥様、それはっ…」
かーくんは恥ずかしかったのか、少し困った顔をしてたけど。
「…そうなのか?」
「えぇ。
彼は彼なりに、梨々香のそばにいるために頑張ってくれていたのよ。ねぇ?」
ママが優しく問いかけると、かーくんはうなずく。
「…っ、はい」
それを見て、私はなんだかまた胸が熱くなった。
そうなんだ…。知らなかった。
たしかに、かーくんは最近いつも難しい本を読んでたけど、あれは、そういうことだったんだ。
私のそばにいるためだったんだ…。
パパは掴んでいた手をそっと離すと、かーくんの顔をじっと見る。
「…神楽、お前、本気なのか?
お前もまさか、梨々香のことを…」