【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

それを聞いてパパはさらに驚いた顔をする。



「お、奥様、それはっ…」



かーくんは恥ずかしかったのか、少し困った顔をしてたけど。



「…そうなのか?」



「えぇ。

彼は彼なりに、梨々香のそばにいるために頑張ってくれていたのよ。ねぇ?」



ママが優しく問いかけると、かーくんはうなずく。



「…っ、はい」



それを見て、私はなんだかまた胸が熱くなった。



そうなんだ…。知らなかった。



たしかに、かーくんは最近いつも難しい本を読んでたけど、あれは、そういうことだったんだ。


私のそばにいるためだったんだ…。



パパは掴んでいた手をそっと離すと、かーくんの顔をじっと見る。



「…神楽、お前、本気なのか?

お前もまさか、梨々香のことを…」


< 316 / 336 >

この作品をシェア

pagetop