【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
するとパパは急に、
「……はぁ」
深いため息をついて。
それから静かに私の名前を呼んだ。
「…梨々香」
ハッとして顔を上げる。
そしたらパパは少しさみしそうな顔で、私の目を見つめながら、
「それが…お前の幸せなのか?」
そう問いかけてきた。
「パパ…」
その目には、涙が浮かんでいる。
私はそれを見て、あぁ、やっぱりパパは私のことを心から大事に思ってくれてるんだって、愛してくれてるんだなって思った。
「…うん。そうだよ。
かーくんと一緒にいられることが、私の幸せなの」
ハッキリとそう答える。
そしたらパパは、少しだけ笑ってみせて。
「…フッ」
それから腕をブンッと振りながら、
「えぇ~い!仕方がないっ!!」
大声でそう叫んだ。