【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

いけないことだとはわかってた。


でもあまりにもお腹がすいて、窮屈で、チャンスだと思ったら体が勝手に動いてしまった。



「…チーズまんって、まだ言ってんのか。

一人で出かけるのも禁止だっつってんだろ」



「でも、かーくんに頼んでも一緒に行ってくれないし…」



「仕方ねぇだろ。ご主人様の言いつけなんだよ」



「分かってるけど、私だって帰り道、寄り道くらいしたいよ。

あれもダメ、これもダメって、禁止ばっかり」



「……」



「私だってコンビニくらい行きたい」



しょぼんとしながらそう言うと、黙り込むかーくん。



すると、何を思ったのか急に、そのまま私を抱えてスタスタと歩き出した。



「…えっ!かーくん?」



そして裏口のドアの前までくると、裸足の私をタイルの上で降ろす。



「ダメなもんはダメなんだよ」



だけどそう言われた瞬間、やっぱりダメなんだって思ってガッカリした。


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