【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
「…っ、おい!なにやってんだよ、いきなり」
慌てて俺が注意しても、ケロっとしてる。
「え?なにって着替えようと思って…」
「いや、着替えるならそう言えよ。俺出てくから」
「あはは!大丈夫だよ〜べつに。キャミ着てるし」
……そういう問題じゃねぇよ。
つーか、俺からしたらそんなん下着にしか見えねぇよ。
俺のこと男だと思ってんのか?
だけど、あんまりジロジロ見るわけにもいかないし、なんか罪悪感があったので、あえて興味なさげに読んでいた本に視線を戻す。
するとりぃはその格好のまま、俺のすぐ隣までやってきた。
そして手に持った本をジッと覗き込んでくる。
「ていうか、かーくん、さっきから真剣になんの本読んでるの?」
……近い。
いや、近すぎんだろ。
俺は今にも変な汗が出てきそうだったけど、あくまで冷静を装って答えた。
「なにってべつに、りぃにはわかんねぇよ」
「…経営学〜?難しそう…。
なに、かーくんたら会社でも起こすつもりなの?」