【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そろそろ学校が終わる時間だから紫苑が帰ってきたのか?
「かーくん!」
だけどその声を聞いて、俺は思わずガバッと起き上がった。
「りぃ?」
「あっ、かーくんダメ!起きたら!
っていうか、起きてたの?」
りぃは学校から帰ってそのまま来たのか、制服姿でカバンも持ったままだ。
まさか、真っ先に俺の部屋に寄ってくれるとは思わなかった。
「…あぁ。もういっぱい寝たしな。
それよりお前、紫苑は?」
「紫苑なら花の水やりだよ。
今日はピアノのレッスンないからさ、ちょうどよかった。
かーくんにいいもの買ってきたの!」
「え?」
…いいもの?
りぃはそう言うと、ニコニコしながら何かを俺に差し出す。
「はい」
受け取ったらそれは、『ハイパー元気ドリンク』とかいう怪しい名前の栄養ドリンクだった。
「……なんだこれ」
「これね、友達のパパの会社が作ってるやつらしいんだけど、風邪の時に飲むとすごく元気になるんだって!
あとね、これもあげる!」
さらに彼女はルーズリーフで折った封筒のようなものを俺に手渡して。
「これは、かーくんが元気になるように作ったお守り」
「…お守り?」