【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そんなふうに嬉しそうにされると抱きしめたくなる。
なんでそんな喜んでんだよ。
「つーか、どうだった?今日」
「えっ、今日って?」
さりげなくたずねてみる。
「今日は一日紫苑と一緒だったから、ラクだったろ」
「えっ?」
「あいつ優しいし、俺みたいに口うるさくねぇし」
俺がそう言うと、りぃはきょとんとした顔をする。
だけどすぐにあはは、と笑い出した。
「まぁねー。っていうか、かーくん口うるさいの自覚してるんだ」
「…っ」
「でもね、なんか変な感じだった」
「え?」
「やっぱりちょっと寂しいっていうか…。
張り合いがないって言ったら変だけど、なんか調子狂うかも」
…意外な発言に驚く。
寂しいって、マジかよ。
「やっぱり私はかーくんがいいなって、思っちゃった。
いつもの調子が出ないもん。
だから早く元気になってよ」
りぃがベッドのすぐ横に座る。
そして俺の手に自分の手を重ねて。
「早く、かーくんと一緒に学校行きたい」
そう言われた瞬間、俺は衝動的に体が動いてしまった。
「…っ、バカ…」
「えっ」