【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
それだけ告げるとその場を去って行ったけど、正直私は好きな人ができても、パパにはあまり言いたくないなって思った。
パパはいちいちうるさそうだからなぁ…。
すると、その様子を見てたママがクスクス笑い出して。
「もうパパったら、ほんとに心配性で困るわ〜。
いいのよ〜あんなの気にしなくたって。
パパの意見なんか無視して、好きな人と付き合えばいいのよ」
「ママ」
ママは理解ある人だから、いつもこうやって私の気持ちを尊重してくれる。
「ママはね、梨々香には本当に好きだって思える人と結婚してほしいの。
たとえそれが御曹司じゃなくても、どんな家柄の相手でもかまわないわ。
本当に梨々香のことを愛してくれて、大事にしてくれる人を選びなさいね」
「うん」
そう言われて確かにそのとおりだなって思う。
私だって結婚するならもちろん、好きな人としたいし、好きでもない人と無理やり結婚させられるなんて嫌だ。
パパにすすめられた人とお見合いとかじゃなくて、普通に恋愛したいなぁ。
って、まだちゃんと誰かと付き合ったことないし、好きな人ができたこともないけど…。