【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
おそるおそる足元を確認してみる……
と、そこには誰かのキーケースが落っこちていた。
そのキーケースについてたキーホルダーが割れて、マスコットの顔が取れている。
今の私の一撃で壊してしまったらしい。
ウソでしょ……。
「あっちゃーマジかよ。最悪」
するとそれの持ち主らしき人物の声がして。
私はドキドキしながらその人の顔を見上げた。
「ごっ、ごめんなさい……」
相手は男の子で、上履きの色からして一つ上の三年生みたい。
しかもけっこうな派手な見た目をしていたから、キレられるんじゃないかと思ってゾッとした。
「あ、あのっ、弁償しますから!
なんなら新しいのを用意するので…っ!」
だけど私がそう言って謝っても、その彼はすぐには何も答えないで、落ちたキーケースとマスコットの顔を拾い上げると、距離を詰めてくる。
そして私の顔を上からじっと覗き込むと…
「コレねぇ、非売品」
「えっ…!」