【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
だって神楽は、執事である前に、私の幼なじみだから。
「聞いてるってばー!」
「ウソつけ。さっきからあくびばっかしやがって」
「だってそれはかーくんが眠くなるような話ばっかするから」
「お前のために言ってんだろ!」
「うわーっ、タメ口っ!
てか、さっそく朝から執事モード崩れてるから!」
「うるせぇ、じゃあ真面目にやれ」
「なんですってー!」
神楽、すなわちかーくんと私は、こうやってすぐにケンカになる。
かーくんは執事のくせに、時々口が悪いし、偉そうだし。
幼い頃からずっと一緒にいたから、彼が執事として働き始めた今も、この関係は変わらない。
かーくんは今でも、二人の時は私のことをりぃって呼ぶし、私もかーくんって呼ぶ。
人前では絶対に呼ばないけどね。
でも、私たちは本当は、すごく仲良しなんだ。