【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
えっ、霧島?
「霧島コーポレーション代表のご子息、霧島亮平(りょうへい)様ですよね?」
「…はっ?そうだけど?」
いきなり名前が出てきて驚く。
この人、そういう名前だったんだ。
でも、かーくんなんで知ってるんだろ?
「私、西園寺家執事の篠崎と申します。
いつも西園寺グループがお世話になっております」
「えっ……」
そう言われたとたん、少し顔色を変えた霧島くん。
「このたびはうちのお嬢様がご迷惑をおかけしたようで、申し訳ございませんでした。
ぜひとも何かしらの形でお詫びをさせていただきたいのですが…」
かーくんの目つきが再び鋭くなる。
「梨々香お嬢様にデートを申し込まれるとなりますと、まずはうちのご主人様に話を通さなければなりません。
…いかがいたしますか?」
え、なにそれ…。
それを聞いてちょっとビックリ。
ご主人様に話って……パパに?
そんなルールあったの?
すると霧島くんは、なんだか急に気まずそうな顔をしはじめて…。
次に私のほうを見たかと思うと、
「…っ、西園寺って。
アンタ、西園寺のご令嬢だったのかよ」
「え、そうだけど…」
うなずいたらなぜか、悔しそうに舌打ちをされた。
「…チッ。やっぱ遠慮しとくぜ」