【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
なにそれ。じゃあまさか今の発言は…
「嘘、だったの…?」
「いいんだよ」
「えっ?」
「霧島コーポレーションは西園寺グループに取引切られたらおしまいだからな。
下手に西園寺のご令嬢に手出せる立場じゃない」
「え、なにそれ…。
なにその上下関係みたいな…」
というか、そんなの私全然知らなかった。
かーくん業界のことよく知ってるんだなぁ…。
「だって、ああでも言わねぇと引かねぇだろ。ああいうのは」
「……そ、そっかぁ」
そう言われて、かーくんは私を助けるためにとっさに知恵を働かせてくれたんだってわかって、なんだか胸が熱くなった。
それに、こんな渡り廊下にいた私のことを、グラウンドからよく見つけたなぁって思う。
ホントに優秀な執事様だよ。
「ありがとう、かーくん。
まさか来てくれると思わなかった」