【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
「じゃーんっ!どう?似合う?」
買ったばかりの振袖を着付けてもらい、少しウキウキした気持ちでかーくんのほうを振り返る。
だけど彼はこちらをじっと見ると、ニコリともせずに、
「…お似合いですよ」
ロボットみたいな口調でそう告げると、またすぐにそっぽを向いた。
…なんだろうさっきから。
というか、ここ数日ずっとかーくんはこんな感じで機嫌が悪い。
ぶすっとした顔で、全然笑わないし、ため息ばかりついてる。
私は別に何かした覚えないんだけど、聞いても教えてくれないし、どうしたのかな?
「ねぇっ、本当にそう思ってる?
この着物ママと一緒に選んだんだけど、可愛くない?
なんか言ってよ〜」
あまりにも反応が薄いので、しつこくそう聞いたら、かーくんはぶすっとしたまま答えた。
「…はいはい。思ってるよ。
つーか、なんでお前そんな楽しそうなの?」