【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜

驚いて見上げると、かーくんの瞳が少し揺れている。


その表情を見たら、思わず胸がぎゅっとしめつけられた。



だって、すごく切なそうな目で私を見てくるから。


どうして…そんな顔するの?



「お前に彼氏できたら俺、この仕事やる気なくすんだけど」



えっ!やる気なくす…!?



「な、なんで……?」



私が問いかけると、かーくんは私の頬にそっと触れる。


そして、悔しそうな声でつぶやいた。



「なんのために俺が今まで、変な虫がつかねぇよう守ってきたと思ってんだよ」



「……っ」



かーくんのまっすぐな視線に、なぜだかわけもなくドキドキする。


鼓動が速くなって、胸が苦しくなった。



もしかして、最近かーくんが不機嫌だったのはそのせいなの?


私がお見合いするから。



かーくんは、私がお見合いして誰かと付き合ったりしたら、嫌なのかな…?


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