【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
…それから約一時間後。
約束場所の料亭に到着すると、パパ同士がさっそく挨拶を交わし始めた。
パパの秘書の辰馬おじさんはもちろん、振袖で動きづらい私のお供としてかーくんも付いてきてくれている。
「やぁやぁどうもどうも、二階堂くん!
今日はよろしく頼むよ」
「いや、こちらこそよろしく。
今日はありがとうな。
それにしても綺麗な娘さんだ」
「ふふ、ありがとうございます」
お世辞かはよくわからないけど二階堂くんのパパに褒められて、笑顔で頭を下げる。
だけど、その場にはまだ二階堂くんの姿がなかった。
「…おや、君の息子くんは?」
パパがたずねる。
すると二階堂くんのパパは、一瞬困ったような表情をしたかと思うと謝ってきた。
「ああ、すまん。
実は私は会社に寄ってから来たもんだから、先にここに着いてな。
優は家内と一緒に向かったら、そろそろ着くと思うんだが…」
だけどそこで彼が後ろを向いたところ、
「おっ、来たようだな。おーい!」