【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
遅れてすぐに到着したみたい。
二階堂くんは特に専属の執事を連れている様子はなく、代わりに母親と一緒にこちらへ向かって歩いてきた。
小綺麗なスーツに身を包んだ姿は、さすが、育ちのいい好青年って感じでカッコいい。
二階堂くんママも若々しくて綺麗な人だ。
「遅れてすみません。道が混んでいて」
ぺこりと彼が頭を下げたら、パパは笑顔で返した。
「いやいや、大丈夫だ。うちも早く着いたんでな。
今日はどうぞよろしく頼む。
ほら、梨々香も挨拶しなさい」
「…あっ、よ、よろしくお願いしますっ」
知ってはいるけれど、話したことのない相手なので、少し緊張しながら頭をさげる。
そしたら二階堂くんはニコッと爽やかに笑うと、
「こうして話すの初めてだよね。
よろしく。梨々香さん」
実に感じよく挨拶してくれた。
それを見てさすがって思う。
やっぱりみんなに騒がれるだけあって、本当に王子様みたいな人だなぁ。
今日は本当に私に興味を持って来てくれたのかな…?