Träumerei (トロイメライ)
character1.爽やか営業マン
ゲームを開始してから数日が経った。
けれど、
ゲームの中も現実世界も特に何も起きる事はなくいつもの平凡な毎日が続いていた。
気になって毎日アプリを開いてみるものの、
初期設定完了後の画面のまま変化はなかった。
(やっぱりただの噂なのかな……
高額請求の詐欺とかだったらどうしよう!!?)
悪徳アプリに騙されたかと怯える事もあったけれど、そんな感情も気づけば忘れてしまう程、完全に胸の高鳴りも冷めていた。
いつしか私は、
アプリを開くことすらしなくなった。
そして1ヶ月が経つ頃、
現実世界で小さな変化が訪れた。
職場に、
他の部署から人事異動で新たに配属される男性社員が来るらしい。
おしゃべり好きな同僚の女子たちは、
異動してくる彼の話題で盛り上がっている。
私が彼女達から仕入れた情報によると、
彼の名前は、橘 悠介(たちばな ゆうすけ)。
私のひとつ先輩にあたるらしく、
見た目もかなりの好青年らしい。
今回の異動は昇進も兼ねてのものだと言うから、仕事も出来るみたい。
独身女子が黙っていないわけだ。
「橘くんだが、
明後日からこちらに出社する事になったので、皆色々と助けてやるように。」
終礼で、
いよいよ彼の配属日が課長から告げられた。
ザワザワとする社員たちには気にもとめず、
課長は話を続けた。
「それから、
橘くんにはしばらく誰かとペアを組んで動いてもらう事にした。
ペアの相手は、既にこちらで選出してあるが、発表は橘くんが来てから行う事にする。
今日は以上だ。」
話を終えた課長が部屋を出ると、
ざわめきはますます大きくなった。
『橘さんとペアですって!!』
『もう決まってるとか……』
『あたしだったらい~な~♡』
女性社員は楽しみで目を輝かせ、
男性社員はため息をつく。
(ま。入社2年目のあたしがペアになるなんて、
まず有り得ないな~)
初めから蚊帳の外な気持ちだった私は、
自分には関係のない話だと、
完全に他人事なつもりでいた。
けれど、
ゲームの中も現実世界も特に何も起きる事はなくいつもの平凡な毎日が続いていた。
気になって毎日アプリを開いてみるものの、
初期設定完了後の画面のまま変化はなかった。
(やっぱりただの噂なのかな……
高額請求の詐欺とかだったらどうしよう!!?)
悪徳アプリに騙されたかと怯える事もあったけれど、そんな感情も気づけば忘れてしまう程、完全に胸の高鳴りも冷めていた。
いつしか私は、
アプリを開くことすらしなくなった。
そして1ヶ月が経つ頃、
現実世界で小さな変化が訪れた。
職場に、
他の部署から人事異動で新たに配属される男性社員が来るらしい。
おしゃべり好きな同僚の女子たちは、
異動してくる彼の話題で盛り上がっている。
私が彼女達から仕入れた情報によると、
彼の名前は、橘 悠介(たちばな ゆうすけ)。
私のひとつ先輩にあたるらしく、
見た目もかなりの好青年らしい。
今回の異動は昇進も兼ねてのものだと言うから、仕事も出来るみたい。
独身女子が黙っていないわけだ。
「橘くんだが、
明後日からこちらに出社する事になったので、皆色々と助けてやるように。」
終礼で、
いよいよ彼の配属日が課長から告げられた。
ザワザワとする社員たちには気にもとめず、
課長は話を続けた。
「それから、
橘くんにはしばらく誰かとペアを組んで動いてもらう事にした。
ペアの相手は、既にこちらで選出してあるが、発表は橘くんが来てから行う事にする。
今日は以上だ。」
話を終えた課長が部屋を出ると、
ざわめきはますます大きくなった。
『橘さんとペアですって!!』
『もう決まってるとか……』
『あたしだったらい~な~♡』
女性社員は楽しみで目を輝かせ、
男性社員はため息をつく。
(ま。入社2年目のあたしがペアになるなんて、
まず有り得ないな~)
初めから蚊帳の外な気持ちだった私は、
自分には関係のない話だと、
完全に他人事なつもりでいた。