あの時君が伸ばした手は
「それなら……事故で死んだんだ。」

江角が呟いた。


「香菜が崖から足を滑らしたっていうの?そんなヘマしないと思うけど。琴音じゃないんだから。」

桐谷さんが言うと竹田さんはうつ向いた。


「そんな言い方無いだろ。」

岡田が桐谷さんに言った。

「何?文句あるならはっきり言いなさいよ。」


もはや諸星さんが亡くなった今、僕たちを繋ぎ止めるものはないに等しかった。
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