あの時君が伸ばした手は
「さっきは派手に転けたね。
大丈夫だった?怪我してない?」


「あ、うん。大丈夫。」


彼女はいつも心配してくれる。

怪我なんてじゅうたんの上なんだからするはずがない。


「図書館に何しに来たの?」
僕は尋ねた。


「ん~暇だったから。川本君は?」


「俺も暇だったから……。」

「じゃあ一緒だね。」
彼女は笑う。
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