宝物な君と
何なの、もうっ。

「あれ?おじいちゃんのおにぃちゃん、こんにちわ。」

七くんが気がついて、挨拶をする。

お利口さんだわ。

「ああ。」

それに比べて、挨拶も返さない瀬高孫!

挨拶もしないなんて、人としてどうなのよっ。

『さっ、七くん帰ろう。今日のご飯は何がいい~?』

「うーんとね…おじいちゃんいるなら、この前肉じゃが食べたいっていってたから、それがいい。」

弓弦くんとそっくりで思いやりのある優しい子だわ。

でも、気持ちを押さえてワガママが言えない状況に、私がしてるのかな…。

4歳なんだから、もっとワガママになってもいいのにな。

『今日はいないから、七くんと葉ちゃんだけなのよ?だから、七くんの食べたいものでいいのよ。』

「…じゃあ、おじいちゃんのおにぃちゃん、何が食べたいですか?」

その優しさはいらないのよ~七くん!

七くんを挟んで隣を歩いていた瀬高孫は、ちらっと七くんを見ると。

「今日は昼御飯は何だったんだ?」

「えっとね。ビーフシチューだったよ!」

「好きか?」

「大好き!ママの方がおいしいけど。」

七くん可愛いっ!
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