宝物な君と
『で?ケンカの原因は?』

七くんと理々が仲良く眠ったあと、私達は久々に二人で飲みながら話してる。

『てか、さっきからがっくんの着信がしつこいんだけど、でていい?』

「いいけど、いないっていってよ!」

いや、確実にバレてるから。

『もしもし?』

最後の〝し〟のところで、食いぎみに話し始めたがっくん。

「埜々と理々いる?!」

『いるよ~。』

のの姉は隣で騒いでるけど、とりあえず無視して。

『がっくん、何したの?まだ理由聞いてないんだよね。』

「浮気を疑われてる!オレは無実だっ!」

『なんで?』

「…仕事ってウソついて、今日出たから。」

今日は土曜日だから、まぁ休日出勤で通らないこともないけど。

『で?何してたの?』

「新居を秘密で建てようかと思って、建築士と会ってたら、たまたま埜々の友達に見られて連絡された。そのあと、離婚するって埜々から電話で言われて、すぐ切られた。」

『なんで秘密?そういうのって、奥さんの意見が1番大事なんじゃないの?1番長く過ごすのは、奥さんと子供だよ?がっくん、なんか違うよ。』
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