宝物な君と
「はじめまして。敦賀と申します。」

『はじめまして。藤沢と申します。』

何故、二人きり?

普通、紹介する人達が来ない?

お母さんも来ないし。

顔にでてたのかな?

「最初から二人で会った方が気楽でいいだろうとの配慮らしいですよ。」

敦賀さんがそう言ってきた。

『そうですか。』

「私はあなたとの話を進めさせてほしいと、思ってます。」

『えっ?』

「私は自立した女性との結婚を望んでいますし、顔もあなたは私好みです。それに私は子供ができない身体なので、息子さんがいらっしゃるのも理想です。」

さらっとすごい事告白されたような。

断り辛い状態になってるような。

いやいや、結婚なんて考えてもいないんだから。

『あの…でも私、結婚は考えていないんです。息子の事だけを考えて、生きていくのが幸せなんです。すみません。』

「本気ですか?誰とも結婚は考えてないと?」

誰とも…。

何がが頭を過ったけれど。

きっちり蓋をして。

『はい、考えていません。』

「それは困るな。オレと七世は紅を好きな同志だし、ずっと一緒にいると約束してしまったからな。」
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